HOME >> 駒場/本郷で開講されるセミナー >> 全学自由ゼミナール

2007年度冬学期 全学自由ゼミナール

数理が拓くフィードバック制御入門:動的システムのモデリングから安定化へ

担当教員:原 辰次 教授,津村 幸治 准教授
日時:10月のガイダンスの後は集中講義形式で,2月学期末試験後を予定している.

授業の概要

「制御工学」とは,ロボットや航空機といった動きを伴うシステムを,我々の 意のままに操作するための技術・理論体系である.また一方で,例えば生体内の 様々な調整機構や経済活動における価格変動など,同じく「動き」のあるシステ ムの解析に「制御理論」の考え方が適用できる.このように「制御工学」・「制 御理論」は,個別の分野に限定されない,横断的な研究分野である.本授業の目 的は,制御における重要な「フィードバック制御」の考え方を,講義により理解 し,実験装置への適用を通してその有効性を確かめることである.実験装置とし て倒立振子と呼ばれるものを用いることを予定している.倒立振子とは,台車の 上に棒が立てられ,この棒を倒れないように台車を前後に動かし制御するという ものである.本授業では,はじめに倒立振子の力学モデルを説明する.続いてそ の振る舞いを解析し,計算機を用いてシミュレーションを行う.次に倒立振子を 安定に操作するためのコントローラの設計を行い,最後に設計したコントローラ を実験装置に適用し,その有効性を確かめる.本授業は集中講義形式で行われ, ガイダンスを含め全4回(+予備日)を予定している.

授業のキーワード

制御工学,フィードバック制御,倒立振子,運動方程式,シミュレーション

授業計画

・第1回:ガイダンス

10月のはじめに教養学部にてガイダンスを行う.

ガイダンス後,以下に示すように,2月に本郷キャンパス工学部14号館にて集中 講義形式で授業と実験を行う.

・第2回:倒立振子のモデリングと解析

制御する対象である倒立振子の振る舞いのモデリングを行う.具体的には倒立 振子の運動方程式を立てる.モデルの簡略化が有効であることを理解する.得ら れた運動方程式の解を導出し,倒立振子の基本的振る舞いを解析する.また安定 性の概念について理解する.さらにコンピュータによる解のシミュレーションを 実行する.

・第3回:制御系設計

倒立振子が倒れないようにするために,台車の位置を制御するコントローラの 系統だった設計法を学び,その後,実際のコントローラを設計する.その有効性 をシミュレーションにより確かめる.

・第4回:実験および結果の考察

設計したコントローラを実験装置に適用し,その有効性を確かめる.実験結果 を検証し,うまくいった点,いかなかった点について考察する.最後にまとめる.

・第5回:予備日

授業の方法

授業は講義とシミュレーション,および実験からなる.

・成績評価方法:レポートに基づいて評価する.
・学習上のアドバイス:制御理論の数理的面白さと,それが実際の装置を動かす ことにより,有効に働くことを楽しんでもらえることを期待する.