教員紹介

長尾 大道(ながお ひろみち)
長尾 大道

東京大学地震研究所 巨大地震津波災害予測研究センター
東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻
准教授

〒113-0032 東京都文京区弥生 1-1-1 東京大学地震研究所 1 号館 502 号室
Tel: 03-5841-1766 内線 21766
Fax: 03-5841-1766

E-mail:nagao@mist.i.u-tokyo.ac.jp

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略歴

1995年3月 京都大学 理学部卒業
1997年3月 京都大学大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻 修士課程 修了
2002年3月 京都大学大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻 博士課程 修了
2002年4月 特殊法人 核燃料サイクル開発機構 東濃地科学センター 客員研究員
2006年3月 独立行政法人 海洋研究開発機構 地球内部変動研究センター 研究員
2009年6月 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所 特任研究員
2010年12月 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所 特任准教授
2013年9月 東京大学地震研究所 准教授
2013年10月 東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻 准教授(兼任)

研究テーマ

 地球規模のリアルタイム観測ネットワークや、超高並列計算機による数値シミュレーション技術が発達した現代の科学技術をもってしても、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では被害の拡大を食い止めることができなかった。いずれまた必ず発生する大地震から可能な限り多くの人命と財産を守るために、地震・津波・災害に関連した観測およびシミュレーションによる膨大なデータを、データ同化を始めとする統計学的手法によって余すところなく統合することにより、総合的な知見を創出することを目指している。

1.データ同化
数値シミュレーションと観測・実験データを、ベイズ統計学の枠組みで統融合するための基盤技術であり、シミュレーションモデルに含まれるパラメータおよび各時刻における状態を逐次推定しながら、将来予測が可能なシミュレーションモデルを創出することができる。主に気象学や海洋学で大きく発展を遂げ、例えば日々の天気予報はデータ同化そのものであり、予報円(確率密度関数)付きの台風の進路予測は、データ同化の結果が端的に表れた好例と言える。気象学とは異なる観点から、地震や津波に代表される固体地球科学に資するデータ同化技術の構築を目指している。

2.逐次ベイズフィルタ
データ同化では、数値シミュレーションから算出される予測モデルと観測データを比較する際に、逐次ベイズフィルタが用いられる。カルマンフィルタ、アンサンブルカルマンフィルタ、粒子フィルタ等、極めて多種多様な手法が提案されており、目的や計算負荷を勘案して選択する。これまで提案されてきた逐次ベイズフィルタは、固体地球科学の諸問題へ適用することが難しいことが多いため、独自の逐次ベイズフィルタの開発を実施している。

主な論文・著書

Nagao, H., T. Higuchi, S. Miura, and D. Inazu, Time-series modeling of tide gauge records for monitoring of the crustal activities related to oceanic trench earthquakes around Japan, The Computer Journal, doi:10.1093/comjnl/bxs139, 2012.
Nagao, H., S. Tsuboi, Y. Ishihara, and H. Yanaka, The "GDSClient" collecting tool for networked solid earth science data, Data Science Journal, 9, S135-S139, 2010.
Nagao, H., T. Nakajima, M. Kumazawa, and T. Kunitomo, Stacking strategy for acqusition of an ACROSS transfer function, Active Geophysical Monitoring - Handbook of Geophysical Exploration: Seismic Exploration, Elsevier, 40, 213-227, 2010.
Nagao, H., T. Iyemori, T. Higuchi, and T. Araki, Lower mantle conductivity anomalies estimated from geomagnetic jerks, J. Geophys. Res., 108, doi:10.1029/2002JB001786, 2003.
Nagao, H., T. Higuchi, T. Iyemori, and T. Araki, Automatic detection of geomagnetic jerks by applying a statistical time series model to geomagnetic time series, Lecture Notes in Artificial Intelligence, Springer Verlag, New York, 2281, 362-373, 2002.