室田 一雄 教授 井上学術賞受賞

投稿日:2005/02/14投稿者:竹村彰通
平成16年度井上学術賞の受賞者に,数理情報工学コースの室田
一雄教授が選ばれました. 井上学術賞は自然科学の基礎的研究
で特に顕著な業績をあげた50歳未満の研究者に与えられる賞で
あり (http://www.inoue-zaidan.or.jp/jigyo.html),室田一雄
教授は,「離散凸解析の理論」の構築という,その独創的な業
績が高く評価されました.

現在,一般に「凸解析」といえば,凸集合や凸関数といった概念
に関する壮大な理論体系をいい,解析学は言うに及ばず,物理学,
情報幾何学,最適制御理論,数理計画法,数理経済学などの諸分
野においても,重要な役割を担っています.

これに対して,室田教授は,各座標が整数である点からなる離散
集合,あるいは離散関数を対象として,壮大な理論「離散凸解析」
を作り上げました.この理論では,「凸解析」における凸性より
精緻な凸性の概念が必要で,M凸関数,L凸関数といった概念が現
れ,美しい離散双対定理が成り立ちます.最近では,離散凸解析
の重要性が,最適化理論,アルゴリズム論,ゲーム理論などの
分野に認知され,それらの分野における発展が期待されています.

「離散凸解析」といったような最先端の理論は,原著論文に当たる
しかないのが通例ですが,幸いにして,室田教授の手になる本が
出版されています.

 室田一雄:  離散凸解析, 共立叢書 現代数学の潮流,共立出版, 2001.

 K. Murota: Discrete Convex Analysis, SIAM Monographs on Discrete
 Mathematics and Applications, Vol. 10, 2003.

(本の詳細は
 http://www.misojiro.t.u-tokyo.ac.jp/~murota/mybooks.html
 を参照してください)