分岐理論

細長い竹の棒を立てて上から押してみる.徐々に力を加えていくと,最初は真っ直ぐであるが,ある時点で突然,グニャと曲がってしまう.どちらに曲がるかは予測できない.このような現象は,数理的には,パラメータ(力の大きさ)を含む非線形方程式においてパラメータの値を変化させたときに複数の解が現われる現象と捉えられる.本来一意的に決まっていた解が複数に枝分かれするという意味で,解の分岐と呼ばれる.自然界や工学システムには様々な分岐現象が見られ,しばしば,対称性やパターン形成と深く関係している(竹の棒の例では,グニャと曲がって対称性を失っている).分岐理論は,非線形方程式や微分方程式の分岐を数学的に扱う枠組みであり,微分方程式論,特異点理論,群論,数値計算法などと結びついている.

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