成果

数理情報第3研究室
(松尾 宇泰教授,中島 研吾教授,田中 健一郎准教授)

数値解析:

現代科学・工学の最先端で挑戦する諸問題は,もはや解析的に解くことは難しく,計算機の助けを借りねばなりません.どうやって解くべきか,それで解いたときの数学的保証は何か,を総合的に研究する学問が数値解析です.応用(物理,生物,経済など),数学(解析,代数,幾何など),および計算機の知識(プログラミング,並列化など)の3つの分野を横断し,様々な始点から研究テーマを設定できる奥の深い学問です.

非線形ダイナミクスとその応用:

何らかの決定論的ルールに従って時間発展するシステムのことを力学系といいますが, 非線形性を持つ力学系の挙動(非線形ダイナミクス)には, カオスをはじめとする興味深い現象が現れることが知られています. 単純な微分方程式や写像で記述された力学系から,想像もつかないほど豊かな振る舞いが現れてくることが, 非線形ダイナミクスの大きな魅力であり,現在も大規模な力学系や不連続性を持つ力学系などに現れる 非自明で興味深い現象の研究が進んでいます. また,脳・神経系などの生体システムや,電力システムなどの工学システムなど, 世の中には非線形力学系によりモデル化される現象があふれています. 非線形ダイナミクスの観点から様々な動的な現象をモデル化・解析することは, 多様な分野への貢献につながるとともに,未知の非線形ダイナミクスの発見・探究にもつながります.

多重格子法(Multigrid):

・有限要素法,差分法などによる数値シミュレーションは最終的には,疎行列を係数行列と
 する大規模な連立一次方程式を解くことに帰着されます.
・連立一次方程式解法としては共役勾配法(Conjugate Gradient,CG)に代表される反復法
 がよく使われています.
・多重格子法(Multigrid,MG)は,様々な波長の誤差成分を同時に減衰させる性質があり,
 高速に収束するとともに,反復回数が問題規模に依存しません.特にMGをCG法の前処
 理手法とするMGCG法は大規模問題向けの並列解法として有効です.
・様々な複雑な問題向けのアルゴリズムの研究開発を実施しています.