実世界を正しく認識し、望みの機能を実現

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システム情報学の目指すところは、”ネオ・サイバネティクス:物理世界と情報世界を繋ぐ「認識と行動」の学問”です。 「認識」とは対象のモデル化であり、「行動」とは対象への働きかけです。われわれは、工学の基本原理ともいえるこの枠組みを大切にしています。
例えば、人が医療用の義手を意のままに操作するブレインマシンインターフェースを実現するには、脳からの有意な神経信号の計測・解析、制御信号の設計、ハードウェアの実現が鍵となります。本コース/専攻では、ロボット、通信、生命など様々な対象にも適用できる、このような認識と行動の普遍的原理を追求し、新しい機能を実現しようとしています。
新たな科学技術の創出に向けて、このようなアプローチでチャレンジしてみませんか?

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Faculty List 計数工学科
システム情報工学コース教員一覧

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Philosophy of the IP Corse システム情報工学コースの理念

システム情報工学コースは、認識と行動のメカニズムを体系的に把握し、その工学的実現を目指します。具体的に言うと、物理的な世界からの情報を収集するセンシング、その情報を基にした知識レベル情報の認識、目的を達成するための制御の全過程に取り組みます。新たな理論やアルゴリズムを追求し、新しい機能を持つシステムの実現も視野に入れています。このアプローチは、生命体の機能を理解し、工学的に活用する視点からも非常に価値があります。人工のものであれ、生命体であれ、それらをシステムとして捉えた際、どのような機能がどのような仕組みやハードウェアで実現するのか、その探求が中心です。

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物理世界と情報世界を繋ぐ「認識と行動」の学問

学部レベルの専門科目は、センシングや信号処理、認識、制御、回路、計算機械といった基本的な科目から始まり、生体計測、ロボット視覚、リモートセンシング、音声情報、生体情報系へと展開します。科目名に直接は反映されていませんが、センサ融合、適応、学習、知能ロボット、人工現実感といったテーマも取り上げられ、実験を通じて、それらのシステムの試作も実施しています。

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本コースは、物理、数理、情報、システムの基礎カリキュラムを駆使して、物理と数理の均衡を保ちつつ、情報とシステム関連の専門科目を深めています。認識と行動の工学は、多くの未解決の問題を持ちつつ発展している分野です。そのため、学生には幅広い基礎知識を身につけてもらい、卒業後も新しい課題への対応や、新しい分野の開拓に挑戦する姿勢を育成することを心がけています。

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HISTORYof the IP Corse システム情報工学コースの歴史

第2次世界大戦の末期、東京帝国大学第一工学部に計測工学科が新設され、昭和20年(1945)4月に40名の第1回生が入学した。真島正市主任教授の設立趣意書によれば、計測工学科の目標は、
[1] 広い物理的知識とこれを自由に応用し得る能力を持ち、
[2] 現象を抽象化して論理的な体系を構成し、これを数理的に表現する能力を持ち、
[3] 総合的な立場からももっとも適切な計測方式を考案し、かつこれに応ずる計測機器を開発することができる工学技術者を養成することであった。
計測工学科は、計測器材料学、計測原論、電気磁気計測、光学計測、力学計測、計測数学および熱学計測を担当する6講座から構成されていた。

昭和26年新制大学への以降に伴い、3コース11講座からなる応用物理学科が新設された。計測工学科の6講座は計測工学コースと改称、新たに固有の学生を教育することになった。なお、この合併に際して、計測工学科の力学計測講座が物理工学コースへ移行した。
その後、わが国の産業の飛躍的な発展に伴って工学部も大きく拡張し、昭和 37年(1962)に応用物理学科が改組拡充されて、計数工学科と物理工学科の2学科になった。そして計数工学科に計測工学コースが設置された。この際、2講座が新設されたが、数理工学コースへ移行した1講座のほか、物理計測コースへも2講座が移行したので計4講座に縮小されたが、昭和41年(1966)に1講座増設されて結局5講座になった。計測工学コースは昭和40年に応用計測コースと改名したが、昭和45年には再び計測工学コースに戻った。

昭和47年(1972)、大学院工学系研究科に、いわゆる横型専攻(多くの学科の教官が協力して教育・研究にあたる専攻)として情報工学専攻が新設され、情報処理工学講座が計数工学科に附置された。計数工学科の多くの教官が情報工学専攻を兼担し、計数工学科が情報工学専攻の中心的な役割を担うこととなった。

東京大学における大学院重点化に伴い、大学院が部局化され、平成5年(1993)に計数工学科の教官は、所属が工学部から大学院工学系研究科に移り、工学部を兼担することになった。(従来は、工学部に所属し、大学院工学系研究科を兼担していた。)この組織変更に伴い、各講座が計測工学大講座に大講座化されると共に、計測制御システム工学原論講座が増設された。また、大講座化されたため、計数工学科における研究グループの呼称を「講座」から「研究室」へ変更した。

平成11年(1999)、大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻が新設され、計数工学専攻の教官の一部が複雑理工学専攻に移った。また、平成12年(2000)に、文理融合型の情報に関する研究・教育を行う情報学環・大学院学際情報学府が新設され、計数工学専攻から流動講座として2名の教官が情報学環に移った。

東京大学における理系の情報に関連する研究・教育は、従来理学系研究科と工学系研究科に分離していたが、より充実した教育と研究を行うため、平成13年(2001)にそれらを統合して、新たに大学院情報理工学系研究科が設置された。それに伴い、大学院情報理工学系研究科のシステム情報学専攻に移行した。また、その組織変更に対応して、工学部計数工学科のコース名称を、計測工学コースからシステム情報工学コースに変更した。

現在、システム情報工学コースは8研究室(先端科学技術研究センター情報物理システム分野の研究室を含む)から構成されており、その教員は情報理工学系研究科システム情報学専攻、新領域創成科学研究科複雑理工学専攻、情報学環、先端科学技術研究センターのいずれかに所属している。

1946
東京帝国大学第一工学部に計測工学科新設
1951
応用物理工学科設立により同学科計測コースとなる
1962
計数工学科設立,計測工学コース設置される
1965
計測工学コースを応用計測コースと改名
1970
応用計測コースを計測工学コースと再改名
1972
工学系大学院に情報工学専門課程新設、情報処理工学講座が計数工学科に附置される
1985
英語名“Instrumentation Physics”から“Information Physics”へ変更
2001
大学院改変に伴い、計測工学コースをシステム情報工学コースと改名
英語名“Information Physics”から“Information Physics and Computing”へ変更