2024/06/10 システム情報談話会のお知らせ(2024年7月12日)
東京大学情報理工学系研究科システム情報学専攻/工学部計数工学科システム情報工学コース 談話会を下記の日程で開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。
- 日時:7月12日(金)18時~19時30分
- 場所:東京大学本郷キャンパス 工学部6号館3階 セミナー室AD
- 講演者:佐藤 いまり 先生(国立情報学研究所)
- 講演題目:光イメージング技術の新展開:光超音波・散乱計測によ
る内部解析の総合的アプローチ - 講演概要:光は、現実世界の物体に作用し,反射,屈折,吸収,散乱な
どの光学的過程を繰り返しながら伝搬します。このような光の伝搬 状況の解析は、対象物の形状、内部状態といった詳細な情報の獲得 につながる大きな手がかかりです.例えば、RGBを超えて様々な 波長を通して光の振る舞いを解析すると、食品の品質や産地、 その美味しさが予測できたり、肌状態や血管の状態を詳細に解析で きたりと多くの発見があります。我々は、分光情報に基づく実世界 理解の研究に早くから取り組みし、吸光・散乱・ 蛍光特性よる物体状態解析,内部3次元情報の復元など,波長固有 の光学特性を考慮した成果を挙げてきました。また、構造化照明の 概念を顕微鏡撮像へと発展させ、散乱除去による透過画像の鮮明化 、各空間位置における散乱特性解析および吸光スペクトル計測を実 現しています。近年は、近赤外光を用いた非破壊・非侵襲計測によ る生体脈管データ解析に取り組み、形態特徴解析に基づくデータの 鮮明化、少ない計測点からの3次元構造再構築、データ圧縮、機械 学習による血管の自動抽出・診断支援の可能性を示すなど、情報解 析を用いた光超音波イメージング強化の可能性を示唆する成果を挙 げてきています。本講演では、相互反射や内部散乱、吸収/発光、 光音響効果といった複雑な光のふるまいの伝搬モデルに着目した情 報解析技術を紹介します。