1研: 暗号技術を用いたシステム設計

◆実験内容:
 みんなでアイディアを出し合って、暗号技術等を駆使するようなシステム・おもちゃなどを作ってもらいます。例えば、お互いのテストの点数を開示せずに、どちらが勝っているかだけの情報を開示するような秘密計算プロトコルを実現するようなシステムの設計などを考えています。

◆助教から学生へのアドバイス:
 暗号技術など難しく考えずに、学生の自由な発想でアイディアを出していただければと思います。

カオスシステム

◆実験内容:
 簡単な電子回路を製作し,分岐現象やダブルスクロールと呼ばれるカオス的な現象をオシロスコープで観察する.また, 回路の数値シミュレーションや部分的な観測からのアトラクタの再構成も行う.実験後半では二重振り子の数値シミュレーションを行う.
◆助手から学生へのアドバイス:
 この実験は回路の製作が主ですが,電子回路に慣れてない人も多く,苦労しているようです.回路の修正が楽にできるように半田付けの必要ないブレッドボードを使っているので,思い込みを捨てて,落ち着いて回路の間違いを探すようにしてください.回路に不慣れな人は,実験前にあらかじめブレッドボード上の配線図を準備しておくと良いかもしれません.
◆学生からのコメント:
 安定な周期解から非周期的なものへの変化,ストレンジアトラクタが存在するパラメータ領域と周期アトラクタが存在する領域が交互に表われる様子など,カオス現象を視覚的にらえることができてとても面白かった.カオスを身近に感じられるようになった.

数理1-高木

教員紹介

高木 剛(たかぎ つよし)
高木 剛

東京大学大学院 情報理工学系研究科
数理情報学専攻
教授

〒113-8656 東京都文京区本郷7-3-1 工学部 6 号館 343 号室
Tel: 03-5841-6940 内線 26940
Fax:

E-mail:takagi@mist.i.u-tokyo.ac.jp

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略歴

1995年3月 名古屋大学大学院理学研究科数学専攻修士課程修了
1995年4月 日本電信電話株式会社NTT研究所
1997年10月 ドイツ・ダルムシュタット工科大学情報科学部客員研究員
1998年10月 日本電信電話株式会社NTTドイツ研究所
2001年1月 Dr.rer.nat.(ダルムシュタット工科大学情報科学部)
2001年3月 ドイツ・ダルムシュタット工科大学情報科学部助手
2002年7月 ドイツ・ダルムシュタット工科大学情報科学部助教授
2005年4月 公立はこだて未来大学システム情報科学部准教授
2008年4月 公立はこだて未来大学システム情報科学部教授
2010年4月 九州大学大学院数理学研究院教授
2011年4月 九州大学マス・フォア・インダストリ研究所教授
2017年4月 東京大学大学院情報理工学系研究科教授

研究テーマ

情報社会の安全性を支える暗号理論と情報セキュリティの研究を進めている.

●暗号理論
量子計算機の時代においても解読困難となる新しい数学問題(符号理論,格子理論,多変数多項式,グラフ理論など)を応用したポスト量子暗号の研究をしている.

●情報セキュリティ
著作権保護,電子投票,仮想通貨など実社会での暗号利用を目的として,効率的な暗号アルゴリズムの設計と物理的攻撃などに対して安全な暗号実装技術の研究をしている.

主な論文・著書

高木 剛,暗号と量子コンピュータ -耐量子計算機暗号入門-, オーム社, 2019.

Tsuyoshi Takagi, Recent Developments in Post-Quantum Cryptography, IEICE Transaction, Vol.E101-A, No.1, pp.3-11, 2018.

Tsuyoshi Takagi (Ed), Post-Quantum Cryptography – 7th International Workshop, PQCrypto 2016, LNCS 9606, Springer, 2016.

 

数理情報第1研究室

暗号数理情報学研究室(数理情報第1研究室)
– 情報セキュリティの基礎を学ぼう –
研究室のHomePage→
高木 剛
高木 剛

教授
高安 敦
高安 敦

講師
暗号理論
情報社会の安全性を支える暗号理論の研究を進めています.想定される攻撃者の解読能力や計算理論の進歩を取り入れた将来に渡り安全となるセキュリティモデルを考察します.量子計算機の時代においても解読困難となる新しい数学問題(符号理論,格子理論,多変数多項式,グラフ理論など)を応用したポスト量子暗号の構成と安全性評価を行ないます.
情報セキュリティ
現代暗号は,盗聴を防ぐ単なる通信路としての狭義的な暗号だけでなく,IT技術の進歩により,秘匿データ検索,著作権保護,電子投票,仮想通貨など,その用途は急速に拡大してきています.実社会での暗号利用を目的として,効率的な暗号アルゴリズムの設計と物理的攻撃などに対して安全な暗号実装技術の研究をしています.