生体信号の計測と解析

◆実験内容:
 生体の電気現象のひとつであるEMG(筋電位)の測定及び解析を行い、筋活動の様々な性質を調べる。また、筋の生理的な特徴と計測・解析結果とを照らし合わせ、生体信号の工学的な応用について考察する。
◆担当教員から学生へのアドバイス:
 生体信号特有の性質を理解した上で、生体信号を計測・解析する基本的な技術を習得するのが第一の目的である。生体を対象としているが故の面白さや難しさを感じてもらえれば幸いである。

モアレ縞を用いる計測

◆実験内容:
 モアレ(moire)縞は,ゴルフ練習場のネットにゆらいで見える大きな縞模様のように,我々の身近に見ることができる物理現象であるが,現在では測長,測角,歪,屈折率の測定等の分野において広く用いられている.この実験では,モアレ縞の原理を理解し,あわせて計測への応用を会得する.
◆担当教員から学生へのアドバイス:
 モアレ縞は,ゴルフ練習場のネットに揺らいで見える大きな縞模様のように,我々の身近に見ることのできる物理現象であるが,現在では測長, 測角, 歪, 屈折率の測定の分野において広く用いられています.

光ファイバとカオスシステム

◆実験内容:
 光ファイバの基礎知識を習得し,実験にて光ファイバの特性を確かめる.また,カオスシステムではロジスティック写像などのモデルを用いてカオスの基礎知識をシミュレーションで習得する.
◆担当教員から学生へのアドバイス:
 光ファイバでは空間光学系でレーザを用いた実験を行います.作業をするときにはレーザ光が目に入らないように注意して実験してください.

倒立振子の制御

◆実験内容:
倒立振子の制御を通して制御論の基礎を習得する.まず,制御対象となる倒立振子の線形状態方程式モデルの導出方法を理解する.つぎに,極配置法と最適レギュレータ法を用いて状態フィードバック則を求め,実機に適用することでこれらの手法の特性を学ぶ.さらに,オブザーバに基づく出力フィードバック制御についても学習する.
◆担当教員から学生へのアドバイス:
本実験では,制御論の知識を倒立振子という具体的なシステムに適用します.安定性や速応性といったシステムの特性に関する知識が特に重要です.体系的な理論の有用性を確認し,その面白さを体感してください.

演算増幅器

◆実験内容:
 演算増幅器(operational amplifier)を用いた種々の回路を作成し,動作を解析することにより演算増幅器の基本特性を理解し,アナログ回路の基本として,その使用法を修得する.
◆担当教員から学生へのアドバイス:
 信号処理,制御,回路など計測の基本となる幾つかの分野との関係が直接的で分かりやすい実験である.与えられた課題を漠然とこなすのではなく,各課題の理論的な背景や回路による実現の鍵について,きちんと消化しながら実験を進めてほしい.

ディジタル信号処理と音響システム

◆実験内容:
 本実験の課題は,ディジタルフィルタの係数と特性の関係を考え,それに基づいて実時間ディジタルフィルタを設計し,その特性を実測により確認することである。さらに実際の信号処理に応用してみることにより,ディジタル信号処理の一端を体験する。
(関連講義:信号処理論第一, 信号処理論第二)
◆担当教員から学生へのアドバイス:
 時間領域と周波数領域における信号表現の対応関係を良く理解しておく(フーリエ級数展開,フーリエ変換, サンプリング定理, 窓関数).

演算増幅器の基礎とセンサ回路への応用

◆実験内容:
 計測工学とは,長さ・重さといった単一の物理量をはじめとし,環境や人間行動といった複雑なものまでをも含む「自然現象」から必要な情報を抽出する技術体系のことである.そのフロントエンドであるセンサの基本は信号変換であるが,現在の電子計算機を主体とする電気文明下では物理情報を電気信号に変換するのが便利である.しかしながら一般にセンサ出力は微弱であり,直接パソコンにつないで信号が取り込めるものでも直接アクチュエータを駆動できるものでもない。そのため,センサの次段には演算増幅器が配される場合が多い.本実験では,演算増幅器を用いた種々の回路の解析法やシミュレーション法を習得し,演算増幅器の特性や基本回路を理解する.また,センサ回路を実際に構成し,センサの原理や使用法,センサシステムの構成法を学ぶ.
◆担当教員から学生へのアドバイス:
 センサ素子において物理量が電気信号に変換される仕組みを物理現象のレベルで把握する.センサ出力(電圧, 電流, 電荷,周波数等)を適切に処理するための検出回路の動作や性質を理解しておく.

パターン認識システムの製作

◆実験内容:
 文字認識に代表されるように、元来人間がおこなってきた判別作業を機械に行わせることは工学上重要な課題である。本実験では、各種センサからの入力をもとに、対象のパターンを判別する認識システムを製作する。
◆助手から学生へのアドバイス:
 プレッシャーを感じずに、気楽に実験を進めていってほしいと思います。

二足歩行ロボットの改良

◆実験内容:
 二足歩行ロボットを用意しています.カメラやマイク,センサー等を利用することで様々な改良が可能になります.

◆助教から学生へのアドバイス:
 例えば,信号を認識して交通ルールに従って歩くロボット,周囲の声に反応してスイカ割りを行うロボット,ブランコをこいだりスケートをするロボットに改良できます.アイディア次第で他にも面白い動きをする二足歩行ロボットにできるでしょう.

動くおもちゃを作ろう

◆実験内容:
 自由にアイデアを出してもらって、何らかの目的を持って動くおもちゃを作ってもらいます。過去にはパソコンとつないで PIC で制御するものを作ってもらったことが多いですが、必須というわけではありません。性能や実用性は二の次でも構わないので、見る人をあっと言わせる、おもしろいおもちゃを作って下さい。
◆助手から学生へのアドバイス:
 手を動かして作業をしてみると、頭で考えていてはまったく想定できない、でも気がついてみれば当り前の問題にぶつかる、ということがよくあります。この演習では、数理情報の授業では数少ない、物を作る場面を提供しますので、このような貴重な体験ができることと思います。ぶつかった問題をどう解決するか、やわらかい頭で知恵を絞ってみて下さい。共同作業でアイデアを出し合う経験も、将来の役に立つことと思います。